心地よい不快感

今回は前回の続きを書こうと思ったが、とんでもなく書きたいことが出来たのでその本能に従おうと思う。

つい数時間前に「傷物語 冷血篇」を見てきた。こんかいはそれについて感じたことを書こうと思う。非常に興奮しているため支離滅裂な日本語になっていると思うが、ご了承願いたい。なおネタバレに関してはほとんどないと思うので、その辺は安心してもらいたい。

さて、私は一応「物語シリーズ」については中途半端な見方をしている。原作は見てないが「化物語」と「偽物語」は見た。また「終物語」は1話も見ていない。今回の「偽物語」については「鉄血編」「熱血編」ともに見たものの、そこまで強い衝撃は無かった。せいぜい良作といったところだ。しかし今回の「冷血編」を見て、帰り道、車の中で笑い、そして泣いた。たまたま今の自分のど真ん中を貫いていくような作品だった。見る人によっては傑作だ!という人や駄作だ!という人もいるかもしれない。私が感じたのは、タイトルのように「心地よい不快感」である。

映画を見終わった後、始めに感じたのは「西尾維新は天才だ。」ということであった。しかしこの考えはすぐ切り捨てた。結果的だけ見れば誰もが思いつくような内容だからだ。貧相で、ポップで、下賤で、退屈な、そんな作品だっただろう。しかし反対にとんでもなく豪華で、重厚で、高貴で、興奮するような作品でもあった。恐らく西尾維新は、「天才の道を歩んできた凡人」か「凡人の道を歩んできた天才」なのだろう。彼自身が曖昧な「怪異」のような存在だから、こんな作品が作れたのだろう。恐らく私の人生に大きな「傷」を残した作品だ。だからといってもう一度見るか?と聞かれれば、恐らくもう一度は見ないだろう。現在私が曖昧な「怪異」のような存在だから、この作品は私のど真ん中を貫いたのだろう。

さて、今までは私の感情のみ伝えてきたが結局何が言いたいの?と聞かれたらたった一言だけ、

「こういう作品の特等席に座りたい。」

特等席が何なのかは分からない。でも私の今いる環境ではない、ということを確信した作品であった。結局僕は破滅したいし、成功したい生き物なのだ。

作品の内容に触れるなら、羽川さんが言った一言に尽きるだろう。

「罪を罪で重ねないで」

生物は知能を持ってしまえば、頭ではわかっていても本能でこれをやってしまうのだ。

とにかく、今西尾維新にあったら、抱きしめたいし、ぶん殴りたい、そう思った作品でした。

これを見て、荒らしたければ存分に荒らしてください。感銘を受けたなら、いくらでも褒めてください。以上